家を建てる土地はどんなところにあるのでしょう。外観・間取りや機能的な設備、家づくりには様々な夢があって当然ですが、細部から決めてかかると全体を見通す視点がぼやけてしまいます。まずはロケーションにあわせ、もともとある自然をできるだけ生かし建物を作る。それが快適に暮らす家=“自然な住まい”への第一歩です。
「大地から生えたような建物を」
まさに自然の中に溶けるように、しっくりと収まるように、そしてその地の生命のリズムを乱さぬような住宅を数多く手がけています。


 

家の縁側はなぜ心地いいのでしょう。屋外でもなく室内でもない不思議な空間だけれど、そこから庭を眺めたり、ちょっとうたた寝したりしながら、季節の移り変わりや風の匂いを一番に感じられる。そんな心地いい場所が必ずあり、内と外が溶けあうような自由さをいつも感じていられるのが“自然な住まい”です。
「内と外の連続性」
自然と建物の一体化を内部デザインでも図り、風や光、緑、そして景観までも室内外に取り入れ、招き入れることで、四季の変化を感じながら居心地良い佇まいを実現しています。


 

住み慣れた家の眺め、安心感があるのはいいけれど、どこから見てもただの四角い箱ではやがて窮屈に感じてしまいます。人間に喜怒哀楽があるように、住まいにも表情があれば、飽きずに永く住むことが出来るはず。時間や天気によって、あるいは空間のつながり方で、何度歩いてもわくわくするような仕掛けがある家こそが“自然な住まい”なのです。
「空間の流動性」
部屋を箱の組み合わせではなく、動きのある空間のつながりで住まいを創り上げることで何十年経っても愛され続けていく理想の住まいを提案しています。


 

例えば家族でキャンプファイアーをしたとき、特別な話題がなくても皆の心が通う感覚を味わったことがありませんか?家の中心とも言えるリビングには家族が安心して集える場所のシンボルとして「暖炉」を置き、リビングを中心にダイニングや寝室などほかの目的に応じたスペースがそれぞれつながっている、それが“自然な住まい”です。
「暖炉を真ん中に」
暖炉は「ハース(hearth…炉辺、炉床、仮定の意味)」。
家族の思い出の核となる場所を持つ住まいを数多く手がけています。


 

よく見かける、四角い箱のような部屋を敷地にあわせつなげただけの家では人と人がつながることができません。ワンルーム感覚の中、家族の気配を適度に感じられる“間”を生かした“自然な住まい”こそ、本当にくつろぎ、安らげる場所を呼べるもの。3LDKか4LDKかを考えるより、動きや視線という立体的観点から間取りを考えることが大切です。
「部分を大きなまとまりへ」
十文字・風車型・L型・T型等をベースにした独創的な設計プランにより、開放感とプライバシーを両立しつつ、まとまりのある住空間を表現しています。


 

天井が高いと開放的な気持ちになるけれど、部屋が全て吹き抜けだったら落ち着きません。寝る場所、くつろぐ場所、食事する場所。家の中のすべての場所を、それぞれの生活シーンに合わせた高さ・低さにすることで空間に“リズム感”が生まれ、ただの箱の組み合わせではなく、豊かな表情を持つ“自然の住まい”になるのです。
「空間のリズム」
人間の身体の大きさ「ヒューマンスケール」をベースとした空間演出で、住まいに奥行を与える「トンネル効果」等、居心地の良い家づくりを実現しています。


 

照明は空間を照らすためのものですが、明るければいいというわけではありません。家ではくつろぐための場所なのに、どこもかしこも明るくて全く影のないオフィスやコンビニのようでは逆に疲れて身体のリズムも狂ってしまいそう。“自然な住まい”には、全体照明より部分照明や間接照明で作る、光と影が隣り合わせになる空間が必要です。
「直接光と間接光」
昼は広い窓からの自然な直接光で部屋全体を柔らかく照らし、夜は部分照明・間接照明と暖炉でいくつもの灯り空間を生み出す工夫があります。


 

わたしたちは手でふれて“固い、やわらかい、冷たい、温かい”などと、いつも感じています。毎日着る服のように、最も手で直接触れる住まいには手ざわりの良い安心できる素材を使いたいもの。例えば人工的なガラスや金属やコンクリートも、それぞれの素材感を生かして組み合わせることで“自然な住まい”の一部になるのです。
「素材を有機的に編む」
無機質な素材を、質感と色調を大切にしながら人の手で加工し、一つの有機的な織物のように仕上げてあげること=住まいを作ることと考えています。


 

家具やインテリアを住まいづくりの一番最後に考えるという人がいます。けれど、家にしっかりとした主張があるなら、はじめから置かれるべき家具も決まってくるのでは?収納も、使い勝手を考え最初に十分なスペースや機能を組み込んでおけば、後から家具を買い足す必要もなく“不自然”な組み合わせに悩むこともないのです。
「機能と形態の合体」
人間の身体の大きさ「ヒューマンスケール」に基づいた照明や家具のビルトイン(造り付け)方式を使い、素材やデザインを空間と一体化させるアイデアを提案します。